百日咳
百日咳
百日咳の予防接種
百日咳とは
百日咳菌に感染することによっておこる気道感染症です。回復までに3か月かかり、百日のあいだ咳が出ることから百日咳といいます。
大人も子供もかかりうる病気ですが、赤ちゃんがかかると大変重症化し、死に至ることがある怖い病気です。予防接種の普及により普及前よりは百日咳にかかることは大幅に減りましたが、今でも時々流行し、アメリカでは増加傾向にあります。
近年では大人の百日咳感染者が増えているそうです。われわれ大人は子供のときに百日咳の予防接種をうけているわけですが、年がたつにつれその免疫力が弱まってくる、というのがその理由の一つと考えられます。体が忘れていってしまうのです。
アメリカでは、2010年以降、毎年1万人から4万人の人が百日咳にかかっています。そのうち亡くなった人のほとんどが生後3か月未満の赤ちゃんです。2010年以降、毎年赤ちゃんが百日咳によって命を奪われており、多い時には20人近くにのぼりました。カリフォルニア州では2010年と2014年に百日咳の流行がありました。
生まれてくる赤ちゃんが最初に百日咳の予防接種を受けるのは生後2か月です。赤ちゃんに百日咳をうつさないよう、赤ちゃんに接する大人、特にお父さんとお母さんは百日咳の予防接種をうけましょう。
百日咳の予防接種
赤ちゃんを含め、6歳以下の子供が受ける百日咳の予防接種はDTaP といいます。日本では三種混合ともいい、ジフテリア、破傷風、百日咳の混合です。7歳以上が受けるのはTdapといい、同じくジフテリア、破傷風、百日咳の混合です。
けがをした際などに破傷風の感染を防ぐため、救急外来で予防接種を受けることがありますが、おそらくその場合はだいたいTdといって、ジフテリアと破傷風のみで百日咳が入っていません。なので、おそらくほとんどのお父さん、お母さんは長年百日咳の予防接種を受けていないでしょう。
19歳から64歳の大人は1度Tdapをうけ、その後10年ごとにTdを接種することが勧められています。
お母さんの場合は、妊娠中に受けることにより、胎内の赤ちゃんに胎盤を通して免疫力を分けてあげられることを期待して、妊娠するたびごとに受けることが勧められています。産婦人科の先生とよく相談して決めてください。
赤ちゃんの予防接種スケジュールについては、また別の機会にお話しします。