乳首が痛くて授乳がつらい時に

乳首が痛 っ


乳首が痛 っ

母乳育児で、乳首に傷がついて痛くなる最大の原因! それは、赤ちゃんが正しくおっぱいに吸い付いていない事がほとんどです。そして、お母さんは、痛いと思いつつも、かわいい赤ちゃんにおっぱいを飲ませたい一心でその痛みを我慢して授乳を続けてしまい、傷はさらに悪化して痛みが増してしまう…という悪循環になっていくのです。

不思議なもので、「私は何としてでも母乳育児を成功させる!」と奮起していたお母さんに限って、「赤ちゃんが上手く飲んでくれない…」とか、「飲もうとしてくれるんだけど、なんだか回を増すごとに乳首が痛くなってしまってとても辛い…」といった、皮肉にも簡単には上手くいかないような状況になって落ち込んでしまったりするケースも少なくありません。お母さんの焦る気持ちはよく理解出来ますが、そんな時は一息入れて、もう一度、初心に戻って母乳育児について考えてみるようにしましょう。

赤ちゃんにとって”母乳育児”、いわゆるお母さんのおっぱいを飲むという事はどのように捉えられているのでしょうか?それは、赤ちゃんによって感じ方もまちまちなのかもしれません。私は仕事がら、「私の子供は、おっぱいは嫌がるけど哺乳瓶は大好きみたい。」とか、「一度乳首を咥えてもすぐに離してしまうんです。」とか、「飲んでくれてると思っていても、実はちょっと吸っただけで眠ってしまう事が多く…」といったお母さん達の生の声を耳にします。初めての授乳はわからないことばかりで、お母さんはとてもナーバスになっていたりしますが、心配しないでください。赤ちゃんはおかあさんのおっぱいが大好きですから。

出産を扱う病院によっては、生まれて少し経過すると、すぐに医療者が哺乳瓶でミルクを与えてしまう場合も少なくありません。それは、その時の赤ちゃんの状態を考えての対処であったり、産後のお母さんの体を労わっての事だったりもしますので、決して病院側が間違っているという訳ではありません。特に、ポリシーとしてカンガルーケアを容認していない病院であれば、赤ちゃんがおかあさんのおっぱいを口に出来るのは、出産後随分時間が経ってからという場合も少なくありません。

生まれて間もない赤ちゃんにとって、お母さんのおっぱいを飲むのはとても疲れるため、すぐに眠ってしまうというのはよくあることです。数分ですぐに眠ったからといって授乳をやめてしまうと、赤ちゃんが十分母乳を飲んでいない可能性があるので、起こしながら授乳をすることが必要な場合も多々あります。乳首が痛いと、お母さんは授乳中その痛みをずっと我慢していることが多く、早く授乳を終わらせたいと思ってしまいがちです。赤ちゃんの胃は小さいため、一度に沢山飲むことが出来ないので、頻回に、そしてある程度の授乳時間(一回に約20~30分)が必要です。

乳首が痛くならないように授乳が出来るために、少しの工夫をしてみましょう。

1、まずはポジショニング(抱き方)です。

生まれて間もない赤ちゃんは、自分の意思で自分の飲むポジションを作って、自分が飲みたいように調整する、、といった事は出来ません。ですから、まずはお母さんの方で赤ちゃんがしっかりと咥えて飲めるベストポジションを作ってあげる事が大切です。お母さんはゆったりと無理のない姿勢で座り、赤ちゃんのお腹とママのお腹が合わさるように抱きます。この時にクッションや授乳枕を使うと、お母さんが前かがみになったり、赤ちゃんがゆらゆら動くのを防ぐことが出来ます。

2、正しいラッチオン(咥えさせ方)を覚えましょう。

おっぱいを飲んでいる赤ちゃんの口をちょっと見てみてください。赤ちゃんの口はドナルドダックのように大きく開いていますか?小さくて可愛い赤ちゃんの口ですが、乳首が痛くなるお母さんのほとんどが、赤ちゃんのお口がじゅうぶんに開いていないまま授乳を続けている場合が多いのです。小さいおちょぼ口のままおっぱいを吸わせてしまいますと、乳首の一部を赤ちゃんの強力な吸引力で吸い続ける事になって、乳首の表面がただれたり、皮がめくれてきたりして、非常に痛くなり、お母さんにとって、とてもおっぱいを与えられる状況ではなくなってしまうのです。それによって授乳そのものが辛い時間となって、授乳時間が来るのが怖いと表現するお母さんも多くいます。

おっぱいの時間はママと赤ちゃんにとってのリラックスタイムです。正しくおっぱいを咥えれば乳首が痛くないのが普通ですから、それには最初に正しいラッチオンの仕方を赤ちゃんに覚えてもらうようにすることが必要です。何もしなくても上手におっぱいを飲める赤ちゃんも時々います。(ママにとってはラッキーです!)でも大部分のお母さんは最初は大変な思いをして授乳をスタートさせていますから、もしも上手くできなくても、決して諦めないでくださいね。まずは、赤ちゃんが大きな口を開くまで待って、赤ちゃんを自分に引き寄せ、乳輪までしっかり深く咥えさせるようにしましょう。自分のおっぱいを赤ちゃんの口に入れようとするのではなく、赤ちゃんを自分に引き寄せるようにするのがポイントです。お母さんの乳首が赤ちゃんの口の奥の方(柔らかい部分)まで届いていれば、乳首は痛くならないのが普通です。もしも深く咥えさせることが出来ているにも拘らず、乳首の痛みが長く続く場合は、赤ちゃんが舌小帯短縮(舌の下にあるひだが短い)ということもありますので、母乳育児を諦める前に、一度小児科医か専門家に相談してください。

ラッチについては、下記の記事も参考にしてみて下さい。
・正しいおっぱいの咥えさせ方って?(Latch on ラッチオン)

3、おっぱいをマッサージして柔らかくしてから与えてみましょう。

乳房マッサージは、乳房を強くもむようなマッサージではなく、基底部をゆっくり動かし、乳輪部を少しマッサージするように母乳を絞って柔らかくして、赤ちゃんが深く咥えられるようにするのが効果的です。乳輪部までぱんぱんにおっぱいが張ってると、赤ちゃんが浅く咥えてしまいがちなので、柔らかくして深く咥えられるようにするのが大切です。

4.ラノリンで出来たニップルクリームを授乳の後に使ってみましょう。

乳首に傷が出来ていたりヒリヒリして痛い時は、クリームを塗って、サランラップで保護してみるといいでしょう。ラノリンは赤ちゃんの口に触れても安全ですから、授乳の度に拭き取る必要はありません。ここにお勧めのクリームを紹介させて頂きますので、もしもご自分の持っているクリームで効果がない時に、試してみてもいいでしょう。自分の母乳を授乳の前後に乳首につけて乾燥を防ぐこともとても大切です。

お勧めしたいニップルクリームのサイトはこちら

● 乳首から赤ちゃんを離すときに、吸っている最中に無理に引っ張って離すと乳首が傷つく原因となります。乳首の下の方を押すか、赤ちゃんの口の横から人差し指を入れて吸うのを止めさせてから乳房を離すようにしましょう。

● 痛くない方の乳首から授乳させましょう。催乳反射が起きてから痛い方の乳首も飲ませるようにしてみましょう。

● 通気性の良いコットンの下着を付けましょう。強く締め付けすぎるブラジャーは避けましょう。下着がこすれて痛い時は、ブラジャーをしないかラノリンを付けてラップで保護をして過ごしましょう。

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執筆者について

Junko@momijimom

日本正看護師免許
ハワイ州正看護師免許
カリフォルニア州正看護師免許
ラマーズ公認チャイルドバース・エデュケーター
ラクテーション・エデュケーター/カウンセラー