赤ちゃんと話す
赤ちゃんと話す
言葉を話し出す頃の赤ちゃんは、とても無邪気で可愛らしく、周りのみんなを癒してくれるものです。
ですが親としては、可愛いばかりは言っておられず、我が子の言葉の発育も気になるところです。
赤ちゃんの言葉の発育
赤ちゃんの言葉の数(ボキャブラリー)は、成長にともなって増え続けます。気がついたら、いつのまにか教えてもいない言葉を発している場合も少なくありません。赤ちゃんは、普段の生活(赤ちゃん自身を取り巻く環境下)で聞こえてくる言葉を自然にキャッチしながら習得していくのです。ですから、まだ言葉を話せないからと思わずに、きれいな言葉を、優しい口調でたくさん話しかけてあげることが重要です。
特に赤ちゃんにとってお母さんやお父さん、その他周りの人の生の声は、心に響きながら聞こえてくる音。きちんと正面から顔を向けて話しかけてあげる事でコミュニケーションが深まって、言葉を通した脳の発育と、場の空気を感じる事で心の成長にもつながっていくと言われています。
赤ちゃんにあいさつ
赤ちゃんが話せない、理解していないと思って、あいさつをしないのではなく、たとえ赤ちゃんと二人きりのシチュエーションであっても、「おはよう」や、「ありがとう」など、普通に言葉を理解している人に接する時と同じようにあいさつをして過ごす事が大切です。
赤ちゃんにいっぱい話しかけてあげましょう
日常のあいさつを繰り返す内に、赤ちゃんもその場の空気で出てくるその言葉の音を感じて覚えていきますので、普通の人と会話するように過ごす事が大切です。
とは言っても、赤ちゃんの言葉はなかなかきちんと単語にならないことも多いでしょう。親の思いとしては、まずは周りの赤ちゃんと比べて劣ることがなく、少しでも多くの会話をして欲しいと願うものですし、声を出すごとに言語の習得についても気になりだすものです。
1才の誕生日を迎えたら、「人に伝えたい気持ち」を持って言葉を発しているかをチェックしてみて下さい。お母さんや周囲の人の言うことに興味や関心を持ったうえで反応しているかが重要なのです。赤ちゃんは言葉が出ない代わりに、手や指を動かして気持ちを伝えようとしている場合も多いはずです。お母さんの方からはその都度丁寧な言葉で返しながらお話ししていくようにしましょう。
2才は言語習得のピーク?
2才になると、本当に驚くほど、多くの様々な言葉がポンポンと飛び出してきて、赤ちゃんと過ごす毎日がとても新鮮で楽しみなものになります。
この頃から、場の空気を感じながら、自分の発する言葉の響きと、それに反応する周りの動向を楽しんだり、変な言葉、場違いな言葉を発する場合も出てきます。ですが、単なる赤ちゃんの言葉遊びと思って、決して叱らず、優しい口調で、丁寧な正しい言葉遣いを教えてあげるように心がけましょう。
赤ちゃんとの言葉のキャッチボールを
赤ちゃんに限らず、人は話しかけられる事で、脳が考えたり、心が何かを感じたりして、時に言葉で、時に行動で反応するものです。ですから、赤ちゃんが自分から何かを伝えようと声に出した時は、きちんと向き合って反応し、優しい口調で丁寧に声を掛けをしてあげることが大切です。小さい赤ちゃんなりにも、自分の声に反応してくれたり、優しく声をかけてくれる人の存在を大事なものと捉え、感情や感性が養われていくのです。
一つ一つ丁寧に反応してあげることで、赤ちゃんは、その人とコミュニケーションを取ることが快感になっていきます。日を増すごとに赤ちゃんの反応の頻度も増えていくようになります。
赤ちゃんの気持ちを言葉にしてあげよう
赤ちゃんの気持ちが100%わかる訳ではないと思いますが、お母さんの直感をフルに活用して、「お腹すいたね~」とか、「おしっこして気持ち悪いの~?」というように、赤ちゃんになったつもりで予想した気持ちを言葉に出して聞かせるようにしましょう。それを繰り返している内に、赤ちゃんは自分の心にある気持ちや動作が、お母さんのその言葉とリンクしていって少しずつ気持ちを言葉で表現できるようになってくるのです。言語を習得すると同時に、心の成長もどんどん開花していきます。気持ちを言葉に乗せて発声するようになれば、意識や興味が体の他の部分にも広がっていって、周囲の音にも敏感になってくるのです。赤ちゃんにとって、(発声した)自分の言葉が響く事によって、自分を取り巻く世界も変化していく(反応してくれる)事が楽しくなってくるのです。
少し心配なケース
言葉の発育には個人差がありますので、早いのが優秀な赤ちゃんという訳では決してありません。言葉だけでなく、赤ちゃんの成長には一般的な目安はあるものの、それが絶対というものはありません。
しかしながら、2才の健診を過ぎたにも拘わらず、周りの人が話しかける声にもほとんど反応せず、自らも一切言葉を発しないようでしたら、難聴や、自閉症、その他の病気を疑う必要もあります。何かおかしいなと思った時は、迷わず担当医に相談する事をお薦めします。