出産後のママによくある症状とケア

出産後のママ


出産後のママ

待ちに待った赤ちゃんとの幸せな対面を果たして、いよいよ赤ちゃんとの生活が始まりました。ママにとってもパパにとっても期待と不安が混じった初めての経験です。

病院にいる間は比較的良く寝ていた赤ちゃんですが、退院して家に戻ると環境の変化もあって、赤ちゃんによっては、昼夜を問わず泣いたり、起きて騒いだり、、ママは寝不足に見舞われる事もあります。特にアメリカでは一泊二日で退院することが多いので、十分に赤ちゃんのお世話の仕方を習う時間もなく退院の日を迎えてしまい、おっぱいの与え方からおむつの替え方など、ママは試行錯誤をしながら24時間お世話をしていくことになります。ただでさえ出産という大きな仕事を終えたばかりのママの身体や心はくたくたな状態。会陰切開の傷が痛いママもいるでしょうし、帝王切開の傷が辛いママもいるでしょう。あちこちの筋肉が痛かったり、全身にだるいような症状が残っていて、それが数日間続く場合もあります。水分をしっかり取って、栄養のあるものを食べるように心がけ、出来るだけベッドやソファーで横になって体を休ませる様にして下さい。多くの場合は1~2週間位経つとあちこちの痛みが軽減していって、動くのが楽になってきます。ですから、この期間の家事は出来るだけ他の誰かにお願いするようにして、ママは赤ちゃんのお世話だけに集中するようにして、自分の身体の回復を第一に考えるようにして下さい。

産後数日から数週間は、「悪露」と呼ばれる出血やおりものが続きます。最初は生理の時のように赤い出血で量も多く、血の塊があるかもしれませんが、それが徐々に量が減り、色も茶色っぽくなり、黄色っぽい白っぽいおりものへと変わっていきます。授乳の後や急に激しく動いた後に悪露が増えることがあるかもしれませんが、徐々に減っていけば大丈夫です。ただ、1時間でナプキンを変えなくてはいけないほどの出血が続いたり、めまいや動悸がしたり、38度以上の発熱があった時は早めに医師に連絡してください。

出産後に子宮は元の大きさに戻ろうと収縮を繰り返します。この時に「後陣痛」と呼ばれる子宮の痛みを感じることがあります。この痛みは、生理痛のような痛みでもあり、陣痛のような痛みでもあり、一人目の時よりも二人目を産んだ時の方が痛みが強いと言われています。子宮の収縮は授乳中に強く感じることがあり、これは乳首を吸われることでオキシトシンというホルモンの分泌が多くなり、子宮を収縮して、出血を止めようとするからです。後陣痛(子宮の収縮)は不快なことも多いですが、体が元に戻るための過程として必要なものだと受け止めて、呼吸法やマッサージ、リラクゼーションなどを取り入れて痛みをコントロールしてみましょう。痛みが強い時は医師に伝えて、痛み止めの薬をもらって飲んでも構いません。授乳中に飲んでも問題のない薬を処方してくれますので心配しないでください。

咳をしたりくしゃみをするときに尿が漏れることがありますが、これは一時的なものですからだんだん良くなっていきます。ケーゲル体操という膣を締める運動を産後も取り入れて骨盤底筋を柔軟にしていきましょう。また、産後すぐの頃に、上手く排尿できないことがあります。出産によって膀胱や尿道の組織や機能に影響が出て、排尿困難になることがありますが、1~2日で改善することが殆どです。出産後8時間上尿が出ない場合は看護師に伝えてください。尿が膀胱に溜まった状態が長く続くと、感染症などの原因となることもありますので、どうしても自力で出せない場合は、カテーテルを尿道に挿入して、尿を出すという処置をすることもあります。

腸の動きが鈍くなったり心理的な原因で便秘になることがあります。会陰切開をしていると傷の痛みからいきむのが怖くなって、上手く排便出来ない事もあります。便秘を予防するためにも、水分を良く取り、体を動かし(腸の動きを促し)て、食物繊維を多く含む食べ物を沢山取るようにしましょう。

出産という一大イベントを終えた後のママには、急に虚脱感が襲ってきたり、新しい生活に慣れるまでの間に、精神的に落ち込んだり、子育てに不安になったり、悲しくなったりすることがあります。これは「マタニテイーブルー」「ベイビーブルー」と呼ばれるもので、50~60パーセントものお母さんたちが経験する症状と言われています。一時的なもので自然に良くなることが多いですが、悪化すると産後鬱に陥る場合もありますので、辛い時は我慢せず、周りの人に助けを求めたり、カウンセラー、もしくは医師に相談してみましょう。

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執筆者について

Junko@momijimom

日本正看護師免許
ハワイ州正看護師免許
カリフォルニア州正看護師免許
ラマーズ公認チャイルドバース・エデュケーター
ラクテーション・エデュケーター/カウンセラー