産後うつって何?

産後うつ


産後うつ

みなさんこんにちは。

カリフォルニア州公認心理カウンセラーの荒川龍也です。

ここでは、私が産後うつについて話させて頂きます。

産後うつって何?

皆さんはマタニティーブルーという言葉なら聞いたことがあるのではないでしょうか。マタニティーブルーの症状としては、気持ちが落ち着かない、落ち込みやすい、不安になりやすい、イライラしやすい、集中力に欠ける、子どもへの愛情を感じない、涙が出やすい、眠れない、寝すぎる、食欲不振、過度の食欲、いつもより傷つきやすいといったことが挙げられます。

このマタニティーブルーが2週間以上続いたときに、産後うつの疑いは強まります。実は、マタニティーブルーになった人が産後うつになる可能性は高いと言われています。

ここで、注意して頂きたいのは、最新の「精神疾患の診断 統計マニュアル 改訂第5版」では、産後うつを妊娠中または出産後4週間以内に経験する鬱という定義づけをしております。つまり、鬱は必ずしも産後のみに起こるわけではないという事を御理解ください。

実は産後うつと診断される人の半分は、妊娠中にすでに鬱になっていると言われています。

妊娠中にうつ症状を経験されてしまった場合は、最悪の場合出産後も鬱状態が続く場合がありますので、必ず医師もしくはカウンセラーに相談してください。

また、医師やカウンセラーによっては、出産後1年以内にうつが見受けられる場合、それを産後うつだと定義づけする人もいます。

産後うつの症状

産後うつの症状は、一般的な鬱の症状が2週間以上続くことです。以下が症状です。

  1. ほとんど1日中、ほぼ毎日気分が落ち込む。
  2. ほとんど1日中、ほぼ毎日興味・喜びの喪失がある。
  3. 体重の増減が著しい。食欲旺盛もしくは減退がほほ毎日。
  4. 過眠、もしくは不眠がほぼ毎日。
  5. 周りから見て、不安になりやすくなっていたり、行動が遅かったりする。
  6. ほぼ毎日著しく疲れを感じる。
  7. 根拠のない罪悪感や、自尊心の低下をほぼ毎日感じる。
  8. 集中力の低下がほぼ毎日。
  9. 自殺願望、自殺計画を考える。

産後うつの原因

産後うつの原因はまだはっきりわかっていません。遺伝やホルモンバランスの可能性が指摘されています。また、妊娠中のストレスが産後うつとの関連性を示す研究結果も出ています。

予防

産後うつを予防するために大事なことは、周りからのサポート、適度な運動、そして最適な栄養と言われています。周りからのサポート、特に同じ境遇の人と辛さを共有することによって自分一人ではないと思える事が大事です。産後うつになった母親の多くは孤独感を強く訴えています。

また、適度な運動も大事です。運動することによって脳内に幸せを感じさせてくれる物質が生成され、鬱を予防することができます。

また、しっかりと栄養を取ることも大事です。体と心は繋がっています。不健康な物ばかり食べていれば、心にも悪影響を与えます。しっかりと栄養バランスを考えた食事を心がけましょう。

治療法

さて、肝心の治療法に関してですが、カウンセリング、薬、サポートグループが挙げられます。一番良いと言われているのは、カウンセリングを受けつつ、うつ病の薬を服用することです。同じ境遇のいわゆるママ友との時間も大切です。同じ苦しみや辛さを共有することで心が楽になることはよくあります。

いつ医師やカウンセラーに相談するべきか

妊娠中でも普段より落ち込みやすくなっていたり、不安になりやすくなったりするなど、いつもとは違う精神状態が続くようでしたら、すぐにでも医者やカウンセラーに相談してください。早ければ早い方が良いです。

治療しないとどうなってしまうか

子どもが母親との信頼関係を築く上で一番大事なことと言われているのが愛着です。この愛着の形成のされ方で、子どものその後の人間関係の築き方や自信などが変わってきます。他の面にも愛着は多大なる影響を及ぼします。その愛着を築くために一番大事なことは母親との信頼関係です。そのためには、母親は子どもの期待に応え続けなくてはなりません(必要な時に母乳やミルクをあげたり、抱っこしてほしいときに抱っこをしてあげるなど)。しかし、産後うつの母親は多くの場合、この期待に応えられない精神状態にあります。よって理想的な愛着を築くことができない子どもが育ってしまう可能性があります。

また、産後うつの母親は子ども虐待する可能性が高いという研究結果も出ています。産後うつの母親に育てられた子どもの、認知力や社会性などの発達が遅れるとも言われています。子どもの睡眠に悪影響が出たり、子どもが不安になりやすくなったり、かんしゃくを起こしやすくなったりもします。

産後うつとは、治療が必要な病気です。ただ落ち込んでいるだけだからと言わず、必ずお近くの医師やカウンセラーにご相談ください。

御質問、御相談などございましたらいつでもご連絡ください。

 

荒川龍也カウンセリングルーム

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執筆者について

Tatsuya Arakawa

カリフォルニア州公認マリッジ&ファミリーセラピスト