新生児の黄疸ってどうして出るの?

新生児の黄疸


新生児の黄疸

ある日、赤ちゃんをふと見ると、顔や体が黄色くなっている。。それは黄疸が出ている状態です。「黄疸って何?」という人の為に、黄疸がどういう状態なのかを簡単に説明します。黄疸は新生児だけに見られる症状ではなく、もちろん大人にも出る場合があります。安易な判断は危険ですが、統計でみると、”新生児の黄疸は黄色信号、大人の黄疸は赤信号”であると言えそうです。

人間の体内で、赤血球が分解されて、老廃物を作り出す際に含まれるビリルビンという黄色の色素が、どこか体の異常によって、大量に出来て処理出来ず、血液中に多く含まれてしまって、全身の皮膚や眼球(白目)に沈着した黄色い状態を黄疸と言います。

本来、このピリルビンはきわめて毒性が強いので、健康な体であれば、それらが肝臓で浄化されて、胆汁に溶けて外に排出されるものですが、肝臓が正常に働いていない場合は、黄疸の症状になって現れるのです。大人の場合にこれが出るという事は、肝臓が非常に悪い状態になっている場合がありますので、急性肝炎や肝硬変、もしくは肝臓癌を疑う恐れもあるので注意が必要です。肝臓が正常に機能していても、その後の胆管に異常があると、処理済みのピリルビンを腸に送れずに、この場合も黄疸を引き起こします。胆道閉鎖症や、胆管結石の疑いがあるでしょう。そのように、大人にとっての黄疸は、決して見過ごす事が出来ない身体の症状なのですが、新生児にとっては、さほど心配しなくても良い場合もあります。

新生児は黄疸が必ず出ます!?

生まれたての赤ちゃんは老廃物を処理する能力がとても低いため、ほとんどの新生児が、生後2~3日経つ頃に肌や目などが黄色くなります。これを「新生児黄疸」といいます。この黄疸は、4,5日目のピークを境に生後10日ほど経てば治っていく症状ですが、お母さんが、母乳だけを与えていると黄疸が1ヶ月位長引く場合があります。これは「母乳性黄疸」といって、母乳に含まれる成分の一部が新生児の肝臓の働きを抑えてしまうために起こる母乳育児特有の症状と言われています。いずれにしても、日にちが経てば無くなっていく場合が多いのですが、新生児黄疸には、まれに治療の必要がある場合がありますので、退院前に赤ちゃんの黄疸について担当の医師の意見をよく聞いておく事をお勧めします。そして、退院後に皮膚がさらに黄色くなったのでは…と感じる場合は、お早めに担当の医師にご相談ください。肌が黄色いという症状のほかにも、ミルクをあまり飲まない、おしっこやうんちが出ない、ぐったりしているといった場合は、早急な処置が必要になりますので、迷わずに救急外来を受診するようにして下さい。

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執筆者について

Junko@momijimom

日本正看護師免許
ハワイ州正看護師免許
カリフォルニア州正看護師免許
ラマーズ公認チャイルドバース・エデュケーター
ラクテーション・エデュケーター/カウンセラー