ラマーズ法
ラマーズ法
現代では、ラマーズ、ソフロロジー、アクティブバースなど…いくつかの出産法があります。どのスタイルも、それぞれよく研究されて確立されてきましたので、どれが一番良いなどと決められるものではありませんが、縁あって、私はアメリカ(カリフォルニア)で、ラマーズインターナショナル公認の講師(Lamaze Certified Childbirth Educator)として、2011年よりカリフオルニアの病院で出産準備クラスをさせて頂いておりますので、その”ラマーズ法”について少しずつ書いていきたいと思います。
”ラマーズ法”と聞くと、「ヒッ・ヒッ・フーでしょ!?」と仰る方が大勢いらっしゃいます。呼吸法の部分だけをみると、それも正解かもしれませんが、実はそればかりではありません。
ラマーズ法
ラマーズ法は、1950年代にフランスの産婦人科医ラマーズ・フエルナンデスが考案した精神性無痛分娩法で、呼吸法やリラックス法によって陣痛や出産の痛みをコントロールしていくというとても画期的な方法でした。
1960年代に入り、ラマーズ・オーガニゼーションが確立されてから、ラマーズ法は呼吸法だけにこだわるのではなく、女性が妊娠や出産に対し自信をもって積極的に取り組み、より自然な形で、夫やパートナーと共に安心して出産を迎えるということに焦点が置かれるようになっていきました。
それまで、当時病院で当たり前のように行われてきた、出産前の浣腸や剃毛なども必要ではないと、どんどん自然な形に変わっていきました。
妊娠や出産はごく自然なもので、病気ではありません。とはいえ、何も知らずにいると、自分の身体に起こる様々な変化に対し、不安になり、緊張し恐怖を感じる可能性があります。緊張や恐怖は痛み(陣痛)を増長させてしまい、痛みが増えるとさらに緊張し、恐怖が強くなるという悪循環に陥ってしまいます。
産婦の筋肉の緊張や恐怖は、息を止めてしまったり、反対に過呼吸を引き起こし、体力を消耗させてしまいます。そして、陣痛(子宮収縮)や出産を耐え難い苦痛なものとしてとらえてしまうことにもなりかねません。傍にいるパートナーも何をしたらいいかわからず、おろおろと心配するだけ。。
これでは、出産に対して積極的に取り組むどころではありません。
出産準備クラス
アメリカのラマーズ(Lamaze International)では、4~5週間(一日2~3時間)クラスや、一日クラス(8時間)で、出産の流れや、痛みのコントロールの
仕方、呼吸法やマッサージの仕方、リラックスの仕方、出産の心構えなどを学んでいきます。ここで基本的な事を学ぶことで、出産当日は、夫(パートナー)の方も出産の当事者として十分力を発揮できる場が与えられます。(ただ赤ちゃんの誕生を待っているだけ…ということはあり得ません!)
パートナーの方は、入院のタイミングや、どのように出産が進んでいくのか…という出産の経過、また、妊婦さんに起こる体の変化や心の変化をよく理解して、側でサポート出来なくてはいけません。クラスを受講して、二人で正しく学ぶことによって、妊婦さんは、生活の上の気掛かりな”いろんなこと”をパートナーに任せて、安心して子供を産むことに集中出来るようになるのです。
アメリカの出産現場では、「出産は夫婦二人で迎えるものである。」という意識をとても強く感じます。