タミータイムを取り入れよう

タミータイム


タミータイム

タミータイム

赤ちゃんを腹ばいの状態にして過ごさせることをタミータイムといいます。

タミータイムの利点としては、

1) 首、肩、頭の筋肉が鍛えられる。
2) それによって運動発達が促進される。
3) あおむけ寝を長時間していることによって生じる頭蓋変形を防ぐことができる。

があります。

1)、2)については、個人的な意見ですが、首は少しでも早く鍛えた方が、赤ちゃんの安全面にとってよいことだと思います。顔に何かかぶった、吐いた、といったときに頭を少しでも自分で動かせたら、いいですよね。

頭蓋変形

3)の頭蓋変形とは、赤ちゃんがずっと仰向けで寝ていることによって、柔らかい頭蓋に圧力がかかり変形してしまうことです。これを位置的頭蓋変形といいます。

私はアメリカに来たとき、ヘルメットをかぶって頭の形を矯正している赤ちゃんをみたり、小児科医にヘルメットを勧められて戸惑っている日本人のお母さんたちがいたりして、何のことかとびっくりしました。

位置的頭蓋変形は、赤ちゃんがお座り、ハイハイ、一人歩きをするようになるにつれ、ほとんどの場合何もしなくても治っていきます。なので日本では何もしませんでしたが、よくみると頭の片方が平らなままの人が時々います。日本では頭蓋変形に対する意識があまり高くないのかもしれません。

美容的な問題のみでなく、健康への影響の可能性もいくつか報告されています。ただ、位置的頭蓋変形の治療にヘルメットが本当に有用かどうかは賛否両論あるので、小児科医とよく相談して決めましょう。位置的頭蓋変形を防ぐには、タミータイムと体位変換が有効です。

タミータイムの方法

開始時期は新生児期(生後1か月までの時期)です。ほんの1-2分でいいので1日2-3回行うところから始めてください。最初は抱っこの状態やお母さんの胸の上で行うのがよいでしょう。私は、臍の緒がとれてから本格的に勧めています。

成長するにつれて、平らな場所にブランケットをひいた上でおこない、時間も徐々に長くしていってください。まったく平らな場所にうつぶせにすると最初は大変だと思うので、赤ちゃんの胸の下に巻いたタオルや授乳まくらなどをいれ、おもちゃを床においてあげるといいでしょう。生後3-4か月では1日少なくとも20分は行うようにと言われていますが、もっとたくさんでもいいです。

タミータイムで必ず守っていただきたいことは、赤ちゃんが起きているときに行うこと、大人が必ずみていること、の2つです。うつぶせ寝によって乳児突然死症候群(SIDS)の危険が増えることがわかっています。それを防ぐため、赤ちゃんが起きているときにタミータイムを行ってください。また、うつぶせ状態の赤ちゃんを一人にせず、かならずそばで見守ってください。

タミータイムが好きな赤ちゃんとそうでない赤ちゃんがいます。後者の場合、とても大変ですが、いろいろ工夫をして楽しくタミータイムができるようにしましょう。

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執筆者について

Dr. Matsumoto

日本医師免許
カリフォルニア州医師免許
日本小児科学会専門医
米国小児科学会専門医
医学博士